初めて福島を訪ねたのは2010年10月。たくさんのシェフが参加する食のイベントで福島の食材と出会い、その素晴らしさを知りました。以来、福島の人々や生産者とのつながりができ、翌年2月には東京・丸の内で福島の食材を使ったフェアも開きました。震災の後は大好きな福島と福島の食材を私も応援しなければいけないと思い、避難所になっていた郡山市のビッグパレットふくしまで炊き出しをするなど、一時は毎週のように通いました。そして、それは今も続いてます。
人柄、自然の豊かさ、美しい景色など、福島は本当に素晴らしい場所にあふれています。もちろん、食もその魅力の一つです。野菜も米も肉も果物もおいしい。質の高い日本酒もたくさんありますよね。若手の杜氏さんも増えてみんな頑張っているし、最近はワインもウイスキーもある。ないものを探すことのほうが難しいぐらい、豊かな食文化を持った県だと思います。生産者のみなさんも、震災後の2~3年は福島の食材に自信を失っているように見えましたが、今はまったく違います。みんなしっかり前を向いているし、福島全体がいい方向に動いているように感じます。
食とお酒のマリアージュは、地域の中でこそ生まれるものです。例えば、フランス・ジュラ地方特産のワイン「ヴァン・ジョーヌ」と同じくジュラ地方で作られるコンテチーズとは、私にとって究極のマリアージュ。食材もお酒も豊かな福島なら、そうしたマリアージュにたくさん出会えると思いますし、それらが「テロワージュふくしま」でたくさん紹介されることを期待してます。
私はフレンチのシェフですが、フレンチだからと言って無理にワインを合わせることはしていません。フレンチに合う日本酒もたくさんありますし、その中には福島のお酒もたくさん含まれます。これまでもそうでしたが、これからも福島の食材、福島のお酒をたくさん使い、食の楽しみ方のいろいろなアイディアを出しながら、福島を応援し続けたいと思っています。
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